れんしゅうちょう

人生ったらもう、書く練習なんだから。

郵便物を受け取る

10月の下旬に家族から送られてきた郵便物を受け取った。だけの話である。

なのでフランスの郵便物受け取り方的な情報をご所望の方は、他に手際よくまとめて下さっている方々が居るのでそちらを参考にして頂きたい。

 

渡仏の際に荷物がスーツケースに入りきらなかったので(あと重量制限を超過するので)、冬服など着いてすぐ必要の無い物は後日郵送してもらうことにしていた。

着いてこちらで生活し始めると、生活品が非常に高いことに気づく。日本の100均で売っているタッパーやピーラー、ボウルなどがこちらでは(物にもよるが)普通に4,5ユーロする。海外から来た旅行客を100均に連れて行くと喜ぶ、という気持ちを初めて心の底からなるほどと納得した。

一緒に生活品を買った日本の知り合いは、「安く作れる国持ってへんのかな?」と、中々キワドい発言をしていたが、まぁ単刀直入に言えばそういう事なのかもしれない。ただユーロ圏より安価で製品を作れる貿易相手国は普通に持っていると思うので、なおさら気になる。ということでこれは「気になるリスト」に入れている。

 

という事情で、冬服を送ってもらう際に生活品諸々も送ってもらう事にした。その結果荷物が非常に重くなり、「家にある段ボールに2つ分くらいです。送料がめっちゃ高かったです。」と郵送完了の報告なのか苦情なのかよく分からないメールと共に荷物は海を渡ることになった。

 

しかし届かない。待てど暮らせど荷物が届かない。当初は安い船便で良いと伝えていたが、郵便局でそれは2,3ヶ月かかる上に届くかどうか不確かではないと言われたため、「時間がかかるのはまだしも届くかどうか分からないのは流石に…」と思った母はSAL便という安い飛行機便に変更してくれていたのである。2週間ほどで着くと言われていたはずが1ヶ月近く経っても着かないので、訝しく思っていたところ、自分より後に送ってもらったらしい他の日本人の子がもう着いたと言っている。

 

そういえばつい先日Amazonで買った本も、ポストに不在通知が入っていて郵便局まで取りに行かなければいけなかったので、今回もそうかもしれない。今のところ不在通知は入っていないがとりあえず郵便局に聞きに行ってみよう、と思い、母から郵送の際に荷物番号のようなものが無かったか聞いてみる。すると、その番号と共にゆうちょのホームページで荷物の配達状況を確認出来るらしい、との情報を頂く(彼女はパソコンが使えないので確認は出来ない)。「早めに教えて欲しかったな…」と思いながらホームページを見てみると、既に8日前から街の郵便局で長期熟成されていることが判明する。寝かせたところでコクが出る訳でもないのに。フランスの郵便局には予め指定した保管期間を過ぎると差出人に送り返されるというシステムがあり、今回はあまり深く考えず適当に2週間と設定していたため、熟成期間は残り6日である。「こらはよ行かなあかんやんけ…!」とその翌日にさっそく郵便局に向かうことにした。

 

郵便局を訪ねた日は金曜日だったので、普通に営業日のはずだったのだがなぜか閉まっていた。同じく訪ねて来た人に聞いてみると、「ストライキよ」とか「たまに臨時休業するのよ」とか安定しない答えが返ってくるので、とりあえずその日は諦めて翌日また来ることにする。

 

翌日は土曜日で午前営業だけなので午前中に行き、荷物番号を伝えるが、「この番号では駄目だ。検索に何も引っかからない。他の番号はないのか。」と言われる。「そんな馬鹿なはずは無い。ここにあるとゆうちょが言っているんだ」と、ご丁寧にゆうちょの簡単な説明まで加えながら粘りに粘るが結局見つけてもらえない。

 

1,2時間粘っているうちに、営業時間が終わりを迎える。「おいおい…」と思いながらカウンターの脇で途方に暮れていると、最後の荷物の受取人が日本人だったので(受け取りの際にパスポートを出すので国籍が分かる)、「これは渡りに船や」と思って聞いてみると、凄く丁寧に教えてくれるものの、結局見つけられない。係の人になんかこういうときの連絡先はないですかと聞くとChronopost(クロノポスト)というフランス郵便局の子会社で海外便を担当している会社の連絡先を告げられる。

 

土曜日で電話も繋がらないので、受け取りの手順を予習しようととりあえずネットでクロノポストと検索してみると、出てくる出てくる、フランス郵便に対する苦情が。子供のときに公園で石レンガをひっくり返したときの昆虫のようにうじゃうじゃ出てくる(食事中の人ごめんなさい)。もはや受け取り方の情報より苦情の方が多い。

 

「これはめんどくさいことになってきたで…」と思いながら家に帰ると、母から「保管期間を過ぎて送り返されてきた場合、送料が高いので再送はしません。」と追い打ちが来ている。シビアだ。あれはどうやら苦情の方だったらしい。「これでは冬を越せんぞ…」と思っていたが、何のことは無い、フランスの方の郵便局で検索をかけてみると、なんとその荷物番号がフランスの荷物番号らしき別の番号に変換されていた。「…こいつだ、こいつに違いない」と思うものの、翌日は日曜日で休みだし、月曜日は授業が詰まってて取りに行く時間が無いので、火曜日に行くことにする。熟成完了のタイムリミットが刻々と迫る。

 

と思っていたところ、月曜日に学校から帰ってくると、ポストに不在届けが3枚入っていた。見ると、配達の日付が11日前(つまり荷物がフランスに届いたはずの日)、6日前、月曜日となっている。どうやらフランスの郵便配達人は我々と違う時間軸を持っているらしい。私が郵便局で粘る姿を見ていたとでもいうのか、実に興味深い現象である。一刻も早い原因究明が待たれている。待っているのは私だけだが。

 

そして火曜日、もはや日課と化しつつある郵便局への訪問である。カウンターで荷物番号が記載された不在届けを差し出すと、出てくる出てくる、実に簡単に荷物が出てきた。ついでに数日前にこれまたAmazonで買った本も一緒に渡された(不在届けの一枚はそれだったらしい)。ただ段ボールが一つだったので、「もう一つ段ボールがあると思うんですけど。」と伝えると、局員さんが再度探しに行くものの、見つからないと言われる。「いや、二つあるはずです。」と言うとまた探しに行く。不在届けあったのに変だなと思い、日本時間で21~22時だったので、姉に「もしかして段ボールって一つ?」と聞くと即座に「一つ」と返ってくる。段ボール二つ分(くらい大きい段ボール)やで!ということだったらしい。分かるはずがない。なんて紛らわしい説明をするのだ。一休さんか。そんなことより局員さんに対して申し訳ない、早く伝えよう、と思っていると、少し息を切らした局員さんが戻ってきて、私が口を開けるより早く「もう配ってるから」と冷たく言い残し消えてしまった。消えてしまったので、まぁそもそもはあちらの不手際だしいっか、と思うことにして郵便局を後にした。

 

そんなこんなで重い荷物を抱え家まで戻り、段ボールを開ける。タッパーやプラスチックボウルでこんなに感動したことは未だかつて無い、というほど感動した。大航海時代にアメリカ大陸で初めてトマトを見つけたスペイン人の気持ちが分かるほどである。食生活が激変する。

…ということで、無事荷物を受け取れましたという話でした。
めでたしめでたし。